1. 京都で遊ぼうART
  2. Report & Review
  3. 白くま子さんの記事一覧
  4. みんな笑っているから、残った|鳥獣戯画と高山寺展

Report & Review ボランティアライター・ブロガーの皆様からお寄せいただきました
レビュー・レポートを掲載しています。

ボランティアライター・ブロガーとは

みんな笑っているから、残った|鳥獣戯画と高山寺展

投稿:2014年12月25日

flyer_chojugiga-kosanji.jpg

遅ればせながら、
2014年10月7日~11月24日まで、
京都国立博物館の明治古都館で催された「国宝鳥獣戯画と高山寺」展
の感想である。

私はいわゆる美術オンチで美術館へほとんど行かない。
好きも嫌いも通り越して、興味が無いのである。

どんなに素晴らしい美術品の数々を見ても、よく分からないのだ。
絵だったら「上手に書いてあるなあ」
抽象的な絵だったら「よく分からんなあ」と首をかしげて終わり。
それ以上のことは特に感じないし、分からないのである。
私には「感性」というものが無いのであろう。
それはつまり人間として豊かでないということで、こんなことを恥ずかしげもなく、このホームページに書いて、お恥ずかしい限りである。
こんな書き方をして、読まれた人の中で気分を害された方がいたら、本当に申し訳ないと謝るしかない。

だからこの鳥獣戯画に関する専門的なことは、美術が好きな方や、造詣が深い方々にお任せする。
私はそういったことは何も分からないから、書きようがない。

ただ恥ずかしながら、今回久し振りに美術館へ行き、この展覧会を観た、美術ド素人の私の一番印象に残ったことは
「みんな笑っている」ということだ。

この鳥獣戯画に描かれた、ウサギやカエルやサルなどの動物たちは、みんな楽しそうに笑っている。
相撲をとったり、川へ飛び込んで水遊びしたり、どの絵もどの絵もみんな本当に楽しそうだ。
あんまり楽しそうだから、思わずこちらの頬もゆるんでしまった。

「ああ、みんな楽しそうだな、みんな笑っている。いいなあ、良かったなあ」と
何故だかじんわり涙まで出てきたではないか。

この絵に描かれた動物たちが、みんな、全身に怒りをたぎらせて怒髪天を衝くような状態だったり、どんより落ち込んで泣いていたり、仲違いして喧嘩しているような姿ばかりだったら、果たして今日まで残っただろうか?

みんな笑っているから、残った。
きっとそうだ。

この「鳥獣戯画」を見て、私のようにほんわか楽しい気分になり、あるいは何らかの感情を揺さぶられて、これは後世の人に残さなくては、と思って実際に行動に移した人が、これまで幾人も幾人も、延々800年以上に渡って存在した。

だから残ったのである。

「そんなもの、何の根拠にもならない、このド素人が何をわけのわからないことを言ってるんだ」と言われたら、その通りで、返す言葉は無い。

誰が描いたのか分からないし、有名な人が描いたものではないのかもしれないけれど、
みんな笑っている。
みんな楽しそうだ。
いいなあ。
仲良きことは美しきかな、
後世に残さなければと、代々大切に受け継がれて800年って、素敵じゃないか、と……。


美術館へすらほとんど行ったことがなく、感性を持ち合わせていない、ド素人の感想である。
どうか笑っていただいて、お許しを。
 



  • 京都で遊ぼう総合TOP
  • 京都で遊ぼうART
  • 京都で遊ぼうMUSIC
  • 京都で遊ぼうSTAY
  • 京都の銭湯