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名品とオリンピック~「皇室の名品」@京都国立近代美術館

投稿:2014年1月20日

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華やかな美、抑制された美、細密な美、淡い美。
名品の数々には、それぞれの美の世界があった。
しかし「皇室の名品」というだけあって、どの作品にもどこか《日本らしさ》があるように思われた。

作品を見ているうちに、ふとオリンピックのことを考えた。
近代日本の名品を生み出した作家たちと、オリンピックの日本代表選手は似ているような気がしたのだ。

スポーツにおいて日本人は、西洋人のような頑強な骨格も長い手足も持っていないのに、同じルールのもとで戦わなければならない。
どう考えても不利じゃないのか、と思う競技もたくさんある。
しかし選手たちはきっと、日本人の身体とその使い方を考え、さらには感性や心の動きについても考え、その特徴を活かす方法がないのか試行錯誤を続けて、勝利を目指しているのではないだろうか。

近代日本においても、作家たちは海外の文化や技術が流入し、驚きとまどいながらも日本らしさとは何かを考えたに違いない。
日本の工芸作品のどこが日本らしく、日本人以外には成し得ない技術であるのか。
日本人だからこそ捉えられる美しさがどこかにあるのではないか。
「美しさ」という曖昧で多義的なルールのもとで、海外の作品に負けないために技術も感性も磨いていったのではないだろうか。

もうすぐオリンピックが始まる。
今度はオリンピックを観戦しながら日本美術のことを考えてみたら、何か思いつくだろうか。
楽しみである。



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