京都国立近代美術館で「「織」を極める―人間国宝 北村武資」展を見た。
氏は、前漢時代に起源を持つ羅を目にして衝撃を受け、その復元を志す。
やがて、起源を同じくする「経錦」と共に、二つの重要無形文化財保持者(人間国宝)となった。
オリジナルの「透文地」なども考案し、長年、織物の研鑽に努めてきた。
今回の展覧会では、織のミクロからマクロまでを含む解剖学的側面を、映像で見ることができる。
美術的な要素だけでなく、工芸の技術を想起させる仕掛けだろう。図録にも織の組織図など、丁寧に解説がされているので、興味のある人にはより理解しやすい。
西陣織イコール着物というイメージがあるが、芸術としての布の見せ方が練ってある。
光の当て方や湾曲させたプラスチックなどに置くなどの展示方が、透ける布の性質を効果的にしている。
解説に「技巧至上主義ではなく、超絶技法芸術」とあるが、人の手の技術の枠に触れ、ただただ溜息が出るばかりだ。
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