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黒の画家、須田国太郎

投稿:2012年12月20日

 明治四十年、「丸善」が開店し、中学生だった須田は初めてゴッホを見て衝撃を受けたという。

 その後、大学及び院で美術史を学び、実践として絵に向かう。
 その為か、本格的な絵画人生は四十過ぎという遅咲きである。

須田国太郎は京都六角に生まれ、終生京を拠点に活躍した。
フランス志向が大半を占める時代にあって、スペインに留学したのは異色である。
ヴェネツィア派からバロックに関心を寄せていた彼は、マドリードのプラド美術館で模写に励んだ。
ティツアーノ~テントレット~エルグレコ~ゴヤ。
それらの模写が何点が出展されている。

chakotako201212-1.jpg
「犬」  1950年
東京国立近代美術館

よく知られている「犬」
前面に立つ黒々とした犬は赤い目が光り、その存在感は訴えてくるものがある。

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「浜ー室戸」  1949年
大原美術館

愛着 を持って描いた動物や植物、古建築。
又、日本各地を旅した風景画。
その際のスケッチブックは初出品だ。
「浜ー室戸」など、力強いタッチが生命力を感じさせて心に残った。

chakotako201212-3.jpg
「バラとアザミ」 1951年
京都国立近代美術館

パレットナイフで引っ掻き、擦りを何度も繰り返す技法は、「バラとアザミ」などの花の絵にもよく表れている。

知的な印象を受けるのは、美術史を探究していたことが関係しているのだろうか。

須田国太郎展 没後50年に顧みる



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