「てっさい堂」その名になんとも懐かしい気持ちになった。
骨董の何たるかも知らない頃、お店に立ち寄った。
所狭しと置かれた豆皿に圧倒され、茫然とした覚えがある。 全くのひよっ子であった。
さて今回、てっさい堂の愛らしい骨董が美術館に並べられた。
「ちいさきもの」がテーマである。
まず、豆皿。
口径10センチほどの皿の中の宇宙。 自然・理想郷・風俗・吉祥・自由な文様・色柚・白磁・青磁と、多種多様。
ぽち袋「食諸国」 東海道五十三次名産品集
ぽちぶくろは、庶民の暮らしが色濃く表れている。 今見ても、斬新なデザイン。
(食諸国)のシリーズ、どの時代も人々は楽しんでいたのだなと思う。
(左) 「瑠璃チューリップ帯留」 (右)「蒔絵花御所車帯留」
帯留めは、職人の技と美意識が凝縮されている。 ずっと眺めていても、飽きない。
生活を豊かに楽しんだ先人たちが残してくれた贈り物。
小さきものへの愛着は、日本人である私の中に確かにある。