■ <特別展覧会>狩野山楽・山雪
―― 京都の狩野派は濃い。
京都国立博物館
平成25年3月30日(土)~5月12日(日)
海外からの里帰り作品含む全83点。
至上初の大回顧展です!
表裏となっていた襖絵『老梅図襖』(メトロポリタン美術館)・『群仙図襖』(ミネアポリス美術館)がはるか海外より50年ぶりに故郷京都で再会。すごいですね。アメリカに行かなくても京都で二つ一遍に見れるなんて感謝、感謝です。
同じ見るならスタンプラリーに参加してから見ましょう♪まず京阪七条駅でスタンプ(改札を出た所に用紙とスタンプがあります。)を押してから、鑑賞後スタンプを押すと「狩野山楽・山雪」のオリジナルポストカードがもらえます。
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では、では、京狩野ワールドへまいりましょう♪
まずは狩野永徳の巨樹と山楽の巨樹の比較から入ります。
■ 「紅梅図襖」
忠実に受け継いだ紅梅図。
地鳴りが聞こえるがごとく地面が盛り上がって天に向かって巨大な樹が伸びて行きます。
■ 「帝鑑図押絵貼屏風」
中国古代の帝王について右が善行隻で左が愚行隻。
夏の桀王の悪行や、始皇帝の坑儒焚書、紂王と妲己の害政などの左隻には凄まじさ、おどろおどろしい迫力がありました。
■ 「文王呂尚・商山四皓図屏風」
文王が呂尚(太公望)を登用すべく会いに来たシーンです。つい先日KBS京都テレビ『封神演義』で、このシーンを見た所だったので、礼をつくした文王の表情にとても惹かれました。
「梅花遊禽図襖」・「朝顔図襖」など山楽と山雪一体作品の見応えのある作品から京狩野初代から二代への画風継承作へ。
継承しつつも新画風の生まれる様子が見れます。
■ 「狩猟図」
10数名いなくては取り囲めない程の巨大な松の木は圧巻!
とにかくすべての目の動きに注目です。それと毛並みのふさふさ感。紙でも軸でも戸絵でもその毛の1本1本の刺繍の様なふさふさ感があるんです。「猿猴図」なんて墨のにじみでそのふさふさ感を出しているんですからね。不思議というかすごいと言うか。
■ 「老梅図襖」・「群仙図襖」
表裏一体の作品がなんと背中合わせで展示されています。くるくる行ったり来たり何度も見てしまいました。
■ 「平湖秋月・断橋残雪図屏風」
綺麗。とにかく奇麗。西湖十景の二景です。
右隻が満月の月見「平湖秋月」。左隻が冬の西湖「断橋残雪」。はるかかなたに蘇堤のシルエットが見えて満月が湖を照らしています。
実は満月の翌日に西湖を徒歩で1周したことがあるんです。「平湖秋月」を見ながら、その時のことを思い出しました。
午後から歩いて1周した時は西湖に綺麗な夕日が落ちていました。
■ 「長恨歌図巻」
白居易の長恨歌である玄宗皇帝と楊貴妃のラブストーリは色鮮やかに展開していきます。
ここは「雪」へのこだわりの作品群です。
■ 「維摩居士図」
維摩居士は何枚も描かれていましたが、ひとつだけ力強い維摩居士がいたのが印象的でした。毛深くて鷹か龍のようなするどく長い爪をしてて、顔の髭もボリュームがあり浅黒く恰幅がありました。
■ 「瀟湘八景図押絵貼屏風」
造形語彙の炸裂作品です。
■ 「四季耕作図屏風」
田植えから稲刈りまで四季の移り変わりが屏風の中で日めくりのように変化して行きます。
圧巻の山雪ワールド展開です。
■ 「楼閣山水図屏風」
右隻が洞庭湖岳陽楼で左隻が赤壁です。
■ 「龍虎図屏風」
水しぶきの荒々しさ、滝の水流の激しさとは対照的に、山雪の龍虎の目にはやさしさがあふれています。
■ 「蘭亭曲水図屏風」
王義之主催で文人41人が参加。酒盃が流れてくるまでに漢詩を作れないと罰杯があります。
川べりに文人たちは座っています。ゆるやかに流れる川の水。子供たちが蓮の葉に盃を乗せて川に流しています。蓮の葉に盃が乗って流れてきます。次々と盃は流れて行きます。ゆっくりお酒を飲んでいる文人は漢詩を書きあげた文人か。にこにこしながら盃を取りに行く文人。難しそうな顔で筆を持った文人。
屏風を左から右へ見るのと、右から左へと見るのとまた感じが変わります。
川の流れはどちらにでも流れているように見えます。お手伝いをしている子供たちが、飲み終えた盃や蓮を片付けているところや飲み残したらしい盃をふざけて飲んでいる姿から左が下流のようです。
激動の時代を生き抜いた山楽・山雪の代表作 重要文化財13件・新発見9件、初公開6件含む計83件、見ごたえがあります。
鑑賞後の感動は余韻となって心地好かったです。
もう終わったかと思った桜も見れてさらに感謝☆感謝!です。
シダレザクラとオオシマザクラ
西宮権現平桜(ヤマザクラ系)(開館100周年記念植樹)