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クヴィエタ・パツォウスカーとチェコの絵本展

投稿:2014年1月17日

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クヴィエタ・パツォウスカーの作風は
一見奔放、天衣無縫に感じられるかも知れないけれど、
実はかなり計算されたデザイン感覚が反映されているように思えます。

「色彩の魔術師」というフレーズはビフォーアフターの建築家への
ちょっと薄ら寒いヘッドコピーのようで、陳腐であまり好きになれませんが
最大公約数的な表現としてこうなるのでしょう。

この方は大胆さと繊細さの均整が彼女の独自性のもとでとてもよくとれていて、
どの作品にも彼女なりの色使いが表れていました。

グラフィックデザインを生業としていた頃によく、紙は生き物だと教えられました。
パツォウスカーは紙と“親しく”対峙しながら、
その紙の本性を知り抜いている絵本作家だと思います。

それは紙の彫刻を見てもよくわかります。

絵本は子どもが読むものですが、子どもたちの目は「あざとく見せる」ものを
簡単に見抜いてしまいます。

意図というのは子どもの目線に“降りる”ものでも芸術を知ってもらうものでもなく、
ただそこにポンと置かれた本が
果たして子どもの手によって開かれるか否かではないでしょうか。

それは決してエキセントリックな表現だからということではなく、
子どもたちが「何によって内ななる眠れる愉楽」が
呼び起こされるかということです。
 



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