葛本コレクション | 葛本 康彰+木谷 洋
2018.02.27~03.10【 galerie 16 】
ほぼ1年前の個展。
その時に、葛本さんが大学時代に或る劇団の旗揚げに関わりながら舞台美術をされていた話を聞いて、ギャラリーのその容積に所在する作品を単なる“展示”するという行為とは異なる、高密度な何かを感じました。
もしかしたらここは「白い小屋=小劇場」であり作品はそれぞれの役者なのではあるまいか、と。
よく見たらバミってあったりして笑。
今展に自らの名前を配しさらにコレクションを加えたことは誠に理に叶っていると。
共同制作者である木谷さんは葛本さんとは深い知己の関係であり、「道具」から機能の概念を抽出し金工という表現方法で再構築されている作家です。
会場に一歩足を踏み入れた途端に感じるのはやはり葛本さんならではの空間構成の妙。葛本さんの“あるがまま”を関わっているモノを絡ませることによって浮かび上がらせています。
照明から配置、それぞれの関係性などに或る種の作家性が垣間見える「癖」のようなまた個人史のような(各“アイテム”に添えられた札、つまりキャプション=情報が実に細かい!)設えになっていてこれらはもう葛本さんの一部なんだなぁ、と。
実際に舞台で役者が歩くたびに記された痕跡が残る床板をカンバス仕立てにしたもの、例の有機溶剤を発泡ウレタンに垂らしながら制作したすりばち状のおなじみの作品にも出会えます。