「 風景の澱みから 」・井上 光太郎・奈良田 晃治・宮岡 俊夫
2018.03.01~03.25【 2kw gallery 】
絵が描けない者としては、人物も風景も静物も自身のマナコがトレースした現実以上でも以下でもない所在としか映らない。
しかし、画家は当然のようにそれぞれにフォーカスしながら画家たる心性を支持体に表すことに心砕く。
こうして観察眼の乏しい僕は三人の絵の前でしばし旅する。
理解しがたい世界を予知させる風景。
受動的にしか出会えない場所や時間がデジャヴュのように瞬く。
あえて画面にノイズを作ることで経年の一葉と化した風景は観る者の感覚をひとときバグの様相へといざなう。
ネットから風景写真を選び逆さまに拡大して描く。
そこでは色彩は単なる空間を構成する要素の一部となる。
抽象化された風景が眼底を静かに揺さぶる。