2011年06月25日、京都国立近代美術館の「青木繁展 ー よみがえる神話と芸術」を鑑賞してきました。
とても蒸し暑い一日。その所為もあってか、並んでいません。
向かいの京都市美術館の「フェルメールからのラブレター展」にあっては、初日にもかかわらず誰も並んでいませんでした。おかげで、青木繁の作品をゆっくりと鑑賞できました。
展示は、いきなり「わだつみのいろこの宮」から始まります。
Webを検索してみると、この様な作品は気分が高揚した後に見たいという意見がありました。
気持ちは分かるのですが、縦長のこの作品、山幸彦が鑑賞者を見下ろすだけの高さが欲しかったのではないかと、個人的には思っています。
その後は年代順です。”第1章 画壇への登場”に「黄泉比良坂」があります。
おどろおどろしい雰囲気が感じられます。黄泉比良坂の物語の内容は以下のリンクを参照してください。
http://www.town.higashiizumo.shimane.jp/1497.html
”第2章 豊饒の海”に代表作「海の幸」が展示されていました。
中央で正面を向いている女性の顔が浮き立っています。印象的なのですが、「わだつみのいろこの宮」も「海の幸」も好きにはなれません。
”第3章 描かれた神話”の「幸彦像」は、小品ながら息子への愛情表現が素晴らしく感動です。モデルの幸彦が、後の福田蘭童(尺八)。
”第4章 九州放浪そして死”では、絶筆となった「朝日」が印象に残っています。それまでとは作風が変わっており、心に沁みこんでくる感じがしました。
青木繁展を見終わって、常設展へ。常設展手前のロビーからの仁王門は迫力があります。
展示会場に入り、家内の足がピタッと止まったのが、福田平八郎の「菖蒲(花菖蒲)」。
”圧巻”といって動きません。この日の展示は、福田平八郎が6点、他に下村観山、前田青邨、奥村土牛、村上華岳、青木繁に合わせて坂本繁二郎16作品、そして、ドガ、ルドン、マチス、ピカソ等と多彩な展示でした。
いつもながら、どうして常設展はガラガラなのでしょう。素晴らしい作品が展示されているのですが・・・。
紫陽花、睡蓮、花菖蒲などを愛でながら、木陰とそよ風が気持ちよく、のんびり散策です。
鯉やスッポンに餌をあげながら泰平閣(橋殿)で大休止。
日差しは和らぎをみせることもなさそうなので、止むを得ず出発。帰途につきました。
文責:HIPPO 編集:京都で遊ぼうART
比良や霊仙山には度々行っている山屋です。 京都国立博物館はじめ、美術館・博物館で作品を鑑賞した後、静かな佇まいの場所を選んで散策することが楽しみです。 美味しいものや、京都らしいものを探し求めながら…。 クラシック音楽のコンサートでも京都にお邪魔しています。