荻須高徳の生誕110年を記念する回顧展、生誕110年記念 荻須高徳展 ~憧れのパリ、煌めきのべネチア~、が美術館「えき」KYOTOで開かれているので覗いててきました。
展示は、パリ、ベネチア、肖像画と静物画に分類されています。
今回、不覚にも展示作品のリストを入手し損ない、作品名がハッキリせずいささか困っています。
パリの絵は生気が漲っています。荻巣の作品は、近くで見ると迫力があり、少し引いてみると、その風景の中に溶け込む感じになります。
まるで私自身がパリのその場所に立って、その風景を見ているような不思議な感覚に陥ります。
「ドフィーヌ広場」、「広告塔と街灯」(だったと思いますが、作品名がはっきりしません)「サン・マルタンの裏町」、「新聞屋」などが印象に残る作品でした。「サン・マルタンの裏町」は、本当にゲートをくぐって入って行きそうな感じに襲われました。
ただ、荻巣作品は展示の場所によって鑑賞者の評価が変わるのではないか? そのような感じを受けます。
見る角度が変わると作品の印象がかなり変わってきます。沢山の視点が取れる場所に展示された作品と視点に制限のある場所に展示された作品では評価が変わるように思います。
他の作品に移り、フと振り返り10数m先にある作品が目には入ったとき、「あの作品こんな感じにも見えるんだ」と…。
ベネチアの作品は、パリの作品が緊張感が漲っているのに対し、表現がボヤケ、緊張感が乏しいように見受けます。
「サン・マルコ広場」を除いて好きになれない。
「サン・マルコ広場」に関しては、Googleで画像検索をしてみました。荻巣と同じアングルの写真はあるのだろうかと。
私なら荻巣やルノアールの作品と同じアングルで撮ってみる。荻巣のこの作品を知っていれば同じアングルで撮るのではないだろうか?
そう思って…。同じアングルで狙ったと思わせる作品を1点見つけたとき、理由もなく嬉しくなりました。
肖像画と静物画のカテゴリでは、「黄色い壺のリラ」や、おいしそうな魚も…。
もしも、荻巣の作品は暗いというイメージを持っておられるのなら、この展覧会を覗いてみてください。
認識を新たにすることができるのではないかと思います。
文責:HIPPO 編集:京都で遊ぼうART
比良や霊仙山には度々行っている山屋です。 京都国立博物館はじめ、美術館・博物館で作品を鑑賞した後、静かな佇まいの場所を選んで散策することが楽しみです。 美味しいものや、京都らしいものを探し求めながら…。 クラシック音楽のコンサートでも京都にお邪魔しています。