2012年01月14日、今年初めての京都は、美術館「えき」京都の、
生誕250年記念展「北斎の富士 - 富嶽三十六景と富嶽百景」
の鑑賞となりました。
人は然程でもなかったのですが、
携帯電話の着信で話をし始め、警備員が飛んできたり、
絵画に関係ない雑談を始めたり、マナーの方は些か問題がありました。
展示の冒頭は、有名な「神奈川沖浪裏」。
初摺に近い作品と、初摺ではない作品の両方が展示されていましたが、初摺の方が雰囲気が出ているように思います。
初摺に近い作品の展示は、この作品の他に、樽の枠の中に富士が描かれている著名な作品である「尾州不二見原」を初め「相州七里浜」等、数点展示されています。
「凱風快晴」は空の角度が大きすぎて違和感を感じます。
それでも、「神奈川沖浪裏」、「凱風快晴」、「山下白雨」、「深川万年橋下」、「東都駿臺」と続く展示には迫力があります。
「江戸日本橋」。日本橋からは江戸城の左に富士が見えたんだなぁと…、現在の東京では見ることは叶わないのでしょうね。
「江都駿河町三井見世略図」は凧が面白く、しばらく眺めていました。
「東海道江尻田子の浦略図」。山部赤人の歌が思い出されます。
赤人の歌に詠まれた田子ノ浦は、富士市の田子ノ浦、静岡市清水区辺り、千葉県安房郡の、三つの説があるようです。
また、富士市の田子ノ浦ではないという説もあるようです。
歌そのものは、田子ノ浦に来てみたら、もしくは、田子ノ浦を通り過ぎたら、雪を戴いた富士が見えた、というものですから、それぞれ可能性を持っていると言えます。
富嶽百景の中で最も気になったのが、「七橋一覧の不二」。
橋の数が何度数えても六つしかない。
北斎の立ち位置が橋の上なのか? それとも数え落としているのか? 謎のまま。
他に「霧中の不二」、「柳塘の不二」、「信州八ヶ嶽の不二」、「袖ヶ浦」等目を引きます。
富士を題材にした他浮世絵師の作品の特別展示では、歌川広重「名所江戸百景 神田紺屋町」が圧巻でした。
北斎の強調された遠近法の世界を楽しんできました。
せっかくの京都、NHKも大河ドラマも平清盛だし、京都駅から歩いていけることでもあり、清盛が後白河院に造進した蓮華王院(三十三間堂)に行ってきました。
中尊である巨大な「十一面千手千眼観世音」と、その左右に配置された千体の観音立像。
その前に居並ぶ二十八部衆に風神と雷神を加えた三十体の仏像には、癒される思いがします。
各仏像の前にある説明は、日本語より英語の説明の方が丁寧です。
日本語では一行のみの説明ですが、英語では吉祥天がヒンドゥ教の三大神の一つ、保持神ヴィシュヌの妃だとか、色々説明されています。
特有の宗教用語もありますが、簡単な英語なので一読されることをお勧めします。
比良や霊仙山には度々行っている山屋です。 京都国立博物館はじめ、美術館・博物館で作品を鑑賞した後、静かな佇まいの場所を選んで散策することが楽しみです。 美味しいものや、京都らしいものを探し求めながら…。 クラシック音楽のコンサートでも京都にお邪魔しています。