2013年5月12日、堂本印象美術館に。
小さな美術館ですが、内外装共に、印象の意匠で作成されている、ちょっとユニークな感じの美術館です。
中に入ると、堂本印象のデザインしたステンドグラスと、その下絵が展示されています。
今回の展示数は、33点。
「京都画壇の巨星たち」展の第一回目となる今回は、秋野不矩、上村松篁、池田遥邨、小野竹橋、竹内栖鳳、堂本印象の作品が展示されています。
順路に従って、回廊へ。
まずは秋野不矩から始まります。以前、秋野不矩展で150点余りの作品を見たことがあるのですが、今回回廊展示されている作品《舞妓》、《青年》、《上げ松》、《深山の春》は記憶に残っていないところを見ると、初めての鑑賞かと思います。
秋野不矩、特にインドに行ってからの作品は重苦しく、鼻と口を濡れタオルで塞がれる感じは、芸術性の高さはともかくとして、私の苦手な画家の一人です。しかし、今回2階に展示されている《ヴィシュヌプール寺院》にしても、その時の重苦しさがなく、秋野不矩の別の一面が展示されているようです。
続いて、上村松篁、池田遥邨、小野竹橋、堂本印象と回廊での展示が続きます。また、回廊の途中に、それとなく置かれている椅子は、堂本印象のデザインによるものだそうです。
2階の展示室には、竹内栖鳳の《象図》が展示されています。金地に墨の濃淡だけで表現され、画面からはみ出した象は、迫力を持って迫ってきます。堂本印象の《西遊記》は92年ぶりの公開のようです。池田遥邨の《芒原》は、風にそよぐ芒(ススキ)の原の中に狐がいます。狐のやや不安そうな表情が気にかかります。
併催されている企画展は、「仏への思い ー 印象が描いた仏画」。20点あまりの作品が展示されています。まず、堂本印象による富貴寺(ふきじ)本堂の壁画の模写が展示されています。富貴寺は、大分県豊後高田市にある天台宗の寺院です。印象の仏画は《観世音》等で総じてたおやかな印象を与えます。
正門前では、京都教育大学付属高校、府立嵯峨野高校、府立洛北高校茶道部の方々による呈茶が行われていました。お菓子は、笹屋守栄(ささやもりえ)の「交響」。女子高生による手前が初々しく、楽しんできました。
比良や霊仙山には度々行っている山屋です。 京都国立博物館はじめ、美術館・博物館で作品を鑑賞した後、静かな佇まいの場所を選んで散策することが楽しみです。 美味しいものや、京都らしいものを探し求めながら…。 クラシック音楽のコンサートでも京都にお邪魔しています。