気になってそわそわしていた展覧会。
「パウル・クレー展-おわらないアトリエ」に行って来ました!
地下鉄東山駅から岡崎公園へ、神宮道をてくてく歩いていくと
見えてくる大鳥居!
この大鳥居を見るといつも、岡崎に来たなあ~という感じがして好きです。
京都国立近代美術館のすぐ手前の橋から見る景色も、何となくお気に入りです。
写真では分かりにくいかもしれませんが、
よーく見ると水面に桜の花びらが浮かんでいて、流れていくのが見えました。
季節の移ろいが感じられました。
まったり歩いていると京近美に着いたので、会場へ。
ここの入り口への大きな階段を昇るのは、厳かな感じでいつもワクワクします。
この展覧会は、クレーの作品が「物理的にどのように作られたか」ということにフォーカスした構成で、クレーの創作活動に寄り添うような展示が魅力的でした。
「アトリエの中の作品たち」という章では、クレーのアトリエ写真と、そのアトリエ写真中にかけられている作品が並べて展示されていました。
クレーはアトリエに自身の作品をたくさん飾っていた、というエピソードや、展示されているアトリエ写真から、クレーのアトリエに居るような気分になりました。
「切断・分離の作品」という章では、クレーが1つの作品を分解した後、新たに作った作品が取り上げられていました。クレーは切断の技法について、1つのものを2つに切断することによって、それをより本質的にする、と語っていたそうです。
分解する前の作品がどんなものかも再現されているので、ビフォーアフターを比較することで、クレーが考える「本質」とは何か、迫ってみることも出来るのでは?
さらに、私はこの展覧会で初めて知ったのですが、クレーの作品の裏面には、何かが潜んでいたりするそうです。
例えば1925年の《鉛直》という作品は、裏面を右へ90度回転すると、X線写真に不気味な男性と動物が写ります。サーカスの芸人などのアウトサイダー的な存在を思わせる男性と、愚鈍の象徴・ロバを思わせる動物。このように作品の裏側に潜む異形の者は、クレーの裏の顔を表す、とも考えられているようです。
作品を一面的に見るだけでは、作品を理解するのに不十分なのだと実感させられました。
展示のラストには、クレー最後のアトリエとなった、ベルンのアトリエを再現したものに入ることが出来ました。アパート改修時に取り外されたオリジナルのドアや窓が付けられており、想像力を刺激されました*
ベルンの3LDKアパートの3階で、病に苦しみながら3000点にものぼる作品を生み出したクレー。そのとき画家は何を想い、どのように制作にあたったのか…ということに、想いを寄せてみるのも面白いかもしれません。
…そして会場から出てほっと一息。ここからはおまけレポートです。
美術館の休憩スペースの窓から撮った大鳥居。
向かいの京都市美術館では、ちょうど「親鸞展 生涯とゆかりの名宝」展が開催されています*
国立近代美術館一階のスペース。外を見ながら椅子にかけて休憩できます。緑が美しい。
窓の外には何気にアート作品が。
↓ 斎藤均 《無限に中ぐらいのもの》
↓ 伊藤隆道 《廻るリング》
帰り道に見た夕日も綺麗でした*
パウル・クレー展は5月15日(日)までです。
とても素敵だったので、まだの人は是非♪
文責:keico 編集:京都で遊ぼうART