京都市美術館で開催されている「フェルメールからのラブレター展」に行って来ました♪
日本でも大人気のフェルメール。
美術館の外まで行列が出来ていました。
17世紀のオランダ絵画を集めたこの展覧会。
よーく見ると、当時の人々の関わりが、人の動作や物などに暗号のように描き込まれている作品がたくさん。
「人々のやりとり―しぐさ、視線、表情」という章の展示では、ヘラルト・テル・ボルフの《眠る兵士とワインを飲む女》という絵がとても印象的でした。
テーブルに突っ伏して眠りこける兵士の横で、静かにワインを飲む女性。
二人の間にロマンスが成立しなかったことが窺える作品ですが、グラスに口をつけている女性の目線は斜め上。横で寝ている兵士に目もくれない彼女から、どうしようもない諦めや悟りのようなものが感じられて、その場の濃厚な空気が漂ってくるようでした。
「家族の絆、家族の空間」という章の展示では、様々な家族の様子や関係性が描かれている作品が展示されていました。
ヤン・ステーンの《老人が歌えば若者は笛を吹く》は、家族団欒の賑やかな声や楽器の音色が聞こえてくるような臨場感溢れる作品。当時の家族の様子を伝えるとともに、人々の食卓での行儀の悪さを描くことによって、民衆を戒める意図もあるようです。風俗画のほかに、教訓画という側面も持つと考えられるのでしょうか。
「職業上の、あるいは学術的コミュニケーション」という章の展示では、
ヘリット・ダウの《執筆を妨げられた学者》という作品に吸い寄せられてしばらく動けませんでした。
書き物をしている気難しそうな学者が手を止めてこちらを睨んでいる絵なのですが、のぞき穴から見たように小さめで円い形の作品で、まるで絵を見ている自分が学者の執筆を妨げてしまったかのような錯覚に陥りました。
厳しい視線が向けられる一瞬をとらえた生々しい描写に、他の作品にはない緊張感を感じました。
最後の「手紙を通したコミュニケーション」という章の展示では、絵画のほかに「17世紀の手紙事情」「ラブレター文例集」といったパネル解説があり、作品を観るにあたっての想像力が高まりました。
当時はまだ封筒はなく、手紙を折って直接宛名などを書き、受け取り主しか読めないように蝋で固めて封をしていたのですね。
また、ラブレターを受けて断る際は、親の反対を口実にするというのが常套テクだったそうです(笑)
そんなこんなで遂にフェルメールの3作品のコーナーへ!!
《手紙を書く女》はこちらを向いている女性の顔がぼかされたような筆致だからか、微笑が何だか意味深で、観ていて何だか少しぞくっとしました。
《手紙を読む青衣の女》は修復後世界初公開というだけあって、ラピスラズリの鮮やかな青がパッと目に飛び込んできました。
椅子に付けられている金色の鋲も、本物の金属のような質感だと思いました。
フェルメール作だと分かって観ていたからかもしれませんが、それまで展示されていた他の作品とは全然違う迫力に圧倒されます。
そして私が一番長く眺めていたのが、《手紙を書く女と召使い》です。
テーブルで一生懸命手紙を書く女性と、その横で窓の外に目をやる若干冷めた様子の召使い。
二人の背後に架けられている絵《モーセの発見》は、旧約聖書の逸話で、敵対者どうしの争いを鎮めるたとえとされたそうです。この作品においては、恋人との和解を求める女性の心理を結びつけて解されることが多いとか。
チラシなどでは分かりにくいのですが、実物を観ると、窓や黒いカーテンの質感、窓から注ぐ光の当たり方が本物のようで、作品の前でひたすら目を凝らしていました。
美しすぎて、「描かれたモノ」という感じがしなかったです。
人ごみで押しつ押されつしながらも(笑)作品を楽しんだ後、忘れずにポストカードも購入しました!!
実は私、展覧会で気に入った作品のポストカードを買ってずっとコレクションしています。
ちまちま集め続けて、今や300枚近く。
何枚も買う展覧会もあれば1枚も買わない展覧会もあるのですが…
お気に入りの作品を疑似的に持ち帰るという自己満足に浸ることが出来ます。←
これからも地道に集めていこうと思います。
そして、展覧会の後は岡崎にあるラーメン屋さんでお昼を食べました♪
すごく美味しかったです!!
地下鉄東山駅から京都市美術館の方へ真っ直ぐ歩いて行く道にあるお店。
岡崎に来たときはまた行きたいと思います☆
「フェルメールからのラブレター展」、じっくり観るほど面白い作品ばかりの展覧会でした。
数少ないフェルメール作品のうち3点も一挙に観られる貴重な機会なので、まだの人は是非行かれてみて下さい。
文責:keico 編集:京都で遊ぼうART
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