金閣寺へ、竜安寺へのきぬかけの路沿いに建つインパクトのある外観。
美術館の外観、内装、ドア、ドアの取手、ライト、椅子に至るまで印象のデザインによるもので、印象自身の作品を展示するために建てられた美術館です。美術館全体が印象芸術です。(展示室の部屋番号プレートや展示室の椅子の足にも注目!)
窓や階段のメタルの曲線造形や木製の椅子とどれも面白く、どちらを眺めても印象ワンダーランドです。
美術館に入るドアの取手にまず目がとまります。
入り口を入ると、すぐにステンドグラスと装飾性の高い壁が前方に現れます。
階段を上がったロビーには、右手にステンドグラス、これは福井裁判所の為に印象が製作したもの縮小版だそうです。
また左手には、高山右近と細川ガラシアを描いた大きな絵があります(cf:大阪カトリック玉造教会)。
今回の企画展「うつろいゆく時の詩-四季の情景」は、南北のスロープに主に四季折々の花鳥を描いた小作品が展示されています。
大展示室には、一方に人物を配した柔らかな作品が展示され、もう一方には六曲一双屏風の「爽籟高清」や「爽山映雪」など印象初期の大きな作品が展示されています。
3階のサロンでは、印象の生涯を紹介するビデオも流れています。
印象は、寺院の障壁画600面(←お寺の襖にこれってありなの?と私などは思ってしまう作品も)さらには、教会の壁画(大阪カトリック玉造教会)も描いているそうです。
戦後は、画風が一変し、還暦近くには、抽象表現へと、個人的にはこの抽象表現に惹かれます。
ミニ企画展として大分県・富貴寺本堂の壁画や源氏物語絵巻など、古画の模写作品が展示されています。
日本画は、模写という作業を通して技術や精神を学んだそうです。模写は、画家の技量が鋭く表れますよね。
それにしても印象が描いた法然院方丈の襖絵が俄然見たくなりました。