「邸内見立 洛中洛外圖」 2007
Courtesy of Mizuma Art Gallery ⓒYAMAGUCHI Akira
「京都で遊ぼうART」さんからお願いしていた招待券が届き、な、なんと今週末までということで、早退して京都まで行ってきました。
山口晃さんは、かのアートブログ『弐代目青い日記帳』で知り、興味を持ちました。
実際に山口さんの作品を目にしたのは、ミズマアートギャラリーさんのジパング展でした。
そして今回まとめて山口さんの作品を観る機会を得たわけです。
山口さんの作品への強い印象は、甦った『洛中洛外図』です。
今回の展覧会では、その印象そのままの作品の中に描かれているのは、今昔混在の世界でした。
日本画の様ですが、岩絵の具で描かれたものはなく、キャンバスに油彩と水彩で描かれています。
山口さん、専攻は確か油絵でしたね。日曜美術館のセザンヌの回では、セザンヌはどのように描いていったかを実際に絵筆を持って解説されていました。
作品は、兎に角、細にして密!どうやって描いておられるのでしょうか?と思うほどに。
リモコンや京の通りが戦艦に、東京も大阪も江戸と浪花の昔と今が混在した俯瞰図となり、地名を追って一緒に街を空から眺め歩いているようです。
山口さんは、幼き頃より、いつも柔らかな鉛筆を手に、空想に次ぐ空想で、目にしたものをトランスフォームしながら描き続けてきた方なのではと思い至りました。
山口さんは、五木寛之の『親鸞』をはじめ、多くの挿絵も描かれています。
簡潔にして緻密な作品として仕上がっています。線が力強く、美しく、ユーモアとアイロニーも感じます。
今回の企画展は、宇治の平等院養林院の襖絵を奉納され、その一般公開に併せて開催されたもので、その下絵も展示されていました。
機関車が走っている?メカが狩野派一門の絵師と並んで、平等院の襖絵となっているのでしょうか。山口さん特有の色彩でメカが平等院にしっくりきているのかもしれません。