春のうららかな陽気に誘われて行って来ました。
泉屋博古館と堂本印象美術館は、京都の美術館でも穴場では?と私のお気に入りの美術館です。桜の頃、紅葉の頃、京都の喧騒を離れたいならここです。泉屋博古館は、哲学の道や紅葉の永観堂に近く、堂本印象美術館は、平野神社や金閣寺に近いにも関わらず、いつ伺っても私をほっとさせてくれて、良い展示品に囲まれた幸せな時間に浸ることが出来るのです。
展示品が多いから展覧会が良いという訳ではありませんね。泉屋博古館の企画展示品数は決して多くはありませんが、目に嬉しい住友コレクションです。「ええもんもってはるなぁ。」の世界です。『きれい!かわいい!めでたい!吉祥のかたち』のテーマの通り、中国、朝鮮、日本の吉祥の美術と呼ばれる、おめでたい願いを込めた作品が展示されています。
その展示は、中国明の時代の「堆朱八吉祥文如意」から始まります。“如意”とは、「意の如く」と言う意味だそうですが、こんな如意棒?見たことがありません。肩たたきみたいな形をしています。
花瓶、壺、置物、水指、お軸、蒔絵箱、香合、珍しいところでは、“鼻煙壺”などなど、泉屋博古館ならではの”鏡”もありました。
南宋時代の「唐子付壺形茶巾筒」お茶道具に茶巾を入れる物があるとは知りませんでした。
また、五代清水六兵衛による「鴛鴦置物」は、仁清かと思わせるような作りで、住友家当主の結婚祝いの品だそうです。
吉祥の文様には、様々な種類があり、それぞれに意味があり、願いがあり、その組み合わせ、取り合わせも面白く拝見しました。
期間限定(4/27~5/12)で若冲の「海棠目白図」も展示されるようです。
今回は、青銅器の展示室もボランティアガイドさんと一緒に回ってみました。
泉屋博古館の青銅器のコレクションは、よくもまぁこれだけの物を集められたものだと驚きです。本場中国にもこれほどのまとまったコレクションはないかと思われます。
青銅器の文様の推移は、縄文土器から弥生土器への文様の推移のようで、古い時代ほど訳が分からない面白さがあるように私は感じました。青銅器と聞くとなかなかとっつきにくいですが、ボランティアガイドさんもいらっしゃるので、こんなに大量の青銅器や青銅鏡は他ではお目にかかれないので一度はみてみられてはどうでしょうか。
お近くの野村美術館と泉屋博古館は、相互にチケットを見せると2割引になります。
きれい ! かわいい ! めでたい ! ― 吉祥のかたち ―