五条通から裏通りへ入ると閑静な住宅街が広がっており、その中に河井寛次郎記念がひっそりと佇んでいる。
入口を開けると、町家独特の長い土間が奥へと続き、想像以上に奥行のある空間が広がっていた。古い木の色合いとそれにあった調度品の数々。当時のまま大切に保存してきたのがよく分かる。その建物から調度品まで、ほとんど全てを河井寛次郎がデザインしたというから驚きだ。
入り口からの様子
河井寛次郎は陶芸をはじめ、彫刻やデザインなど広くその才能を発揮していた芸術家だ。この記念館では様々な作品を見ることができ、実際に寛次郎が使用していたろくろや窯も残っている。当時の生活の様子やその世界観を感じることができる貴重な場所だ。
二階建ての町家の一階部分は、中心に囲炉裏があり、寛次郎デザインの木の椅子やベンチが置かれている。中庭を挟み、茶室や陶房、素焼窯と登り窯がある。二階には書斎や居間があり、ここにも寛次郎デザインの木の椅子やテーブル、そして木彫りやブロンズの作品が置かれている。囲炉裏の上が吹き抜けになっており、開放感のある設計が特徴的だ。
一階 囲炉裏前
二階 上段の間
中庭を挟んだ離れには、茶室や陶房、素焼窯と登り窯がある。離れの一番奥にある登り窯はその大きさに驚かされる。古びたレンガや灰で白っぽくなった様子から、長年使いこまれてきたことが伝わってくる。寛次郎の作品の多くがこの窯から生み出されている。
ぜひ寛次郎のデザインした椅子に座りながら、居心地のいい町家の雰囲気を感じてほしい。
素焼窯
登り窯