鴨川沿い、四条大橋の近くに建つこのレトロな建物をみたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
京都の街中でもひときわ目に留まるこの建築、「東華菜館」は大正15年に建てられたものです。
元々は「矢尾政」という西洋料理のお店でしたが、戦時中に西洋料理店を続けることが難しくなり、昭和20年に中華料理店、「東華菜館」へと生まれ変わり現在に至ります。
設計者は近江八幡を拠点に活動し、日本で多くの西洋建築を手がけたアメリカ出身の建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズです。
「東華菜館」はスペインバロック様式による華美な装飾を施した独特の外観が特徴で、特に入口は非常に重厚な作りとなっています。細部にも細かい装飾が施されており、建物の至る所にはタコやホタテなどの変わったレリーフが多く飾られている点も非常にユニークですので、是非色々探してみてください。
また、内部も大変すばらしく、数々の調度品の他、1924年に製造、輸入されたオーチス製のエレベーターは、稼働中のものとしては日本最古のものといわれており、ジャバラ式の手動ドア、そして運転手付という、これに乗れるだけでも大満足出来ること間違いなしのものです。
なお、見学のみは不可となっていますので、是非お食事がてらに出かけてみてはいかがでしょうか。