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一瞬の劇場(何必館・京都現代美術館)

投稿:2011年10月 7日

何必館でElliott Erwittの展示を観てきました。

flyer_elliot.jpg
映画のワンシーンのような現実。

たった一枚のイメージなのに
「このあと何が起こったんだろう?」と
ストーリーを想像してしまう写真。

一度観たら忘れがたい印象的な写真や
思わずにっこり笑顔になっちゃう写真。

Elliott Erwittは、そんな瞬間を私たちに沢山見せてくれます。

今回展示されていたのは
ジョン・F・ケネディ、チェ・ゲバラ、マリリン・モンローなどの著名人や
それぞれの時代を生きる市井の人々、愛くるしい犬たちの写真など。

「一瞬の劇場」という名がぴったりの
はっとする瞬間をとらえた写真でいっぱいでした。

しかも、鋭い観察眼で切り取られたインパクトやユーモアのある写真が多いのですが
目だけではなく、心にも深く余韻を残していくのです。

展示を観ている間、まるで映画を観るように
楽しい気持ち、切ない気持ち、悲しい気持ち、愛おしい気持ち・・・
色々な感情が心の中で漣みたいによせては返していきました。

そして誤解を恐れずに言えば、
「彼の写真は、報道写真も人々の日常を切り取った写真もどちらも同じじゃないか!」
と感じました。

私がロバート・キャパのお墓に突っ伏しているお母さんの写真を観たときに
新聞記事を見る気分ではなく、自分のことのように悲しい気持ちになってしまったのは
そういうことなんじゃないかと思います。

例え「報道写真」と呼ばれる類の写真であっても普遍的な人の感情が写っていて、身近に感じるし
逆に、雨の日に傘を差してジャンプする人のシルエットの写真を観たとき
「日常って何てドラマチックなんだろう!」とドキドキしました。

「非日常」も「日常」も遠くかけ離れてなんかなくて
私が素敵な瞬間を見逃していたり
人の心の機微に鈍感なだけだ、と思いました。

彼はどんな場面でも優しい眼差しで沢山の人生を見つめてきたんじゃないかと感じます。
「事件」や「出来事」や「ニュース」ではなく
ただただ人々が笑い、泣き、喜び、一生懸命生きる姿を
深く、またユーモアを持って見つめて来たんだろうな、と。

「嬉しいときも悲しいときもちゃんと目を凝らして人生を見つめるんだよ。
人の気持ちや素敵な瞬間を見逃さないようにね。」と
少し教わったような気持ちになりました。私の勝手な妄想ですが。

人生には喜びも悲しみもドキドキも切なさもある。
いたるところに目を奪われるような瞬間が散りばめられている。
「人生捨てたもんじゃないかも!」なんて思ってしまいました。

やや暑苦しいレビューになってしまいましたが(笑)、
肩の力を抜いて、ぜひ気楽に遊びに行ってみてください。
ふふっと笑顔になってしまうイメージに出会えると思います。

色んな人に見て欲しい素敵な写真展でした。

《 余談 》
会場に、何必館の館長・梶川さんの写真(Erwittさん撮影)も展示されてました。
とても貴重なものだと思いますので、そちらも注目です!

関連リンク

一瞬の劇場 Elliott Erwitt 展

何必館・京都現代美術館



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