京都を拠点に、山本啓(ヴァイオリン)・景山奏(ギター)・川上優(ドラム/パーカッション)・堀川達(ベース)の四人で活動するNabowa。
2010年5月12日には2年振りとなるセカンド・アルバム『Nabowa』をリリースした。約30公演に及ぶリリースツアーも盛況のうちに終え、リリースツアー後には、FUJI ROCK FESTIVAL’10やFESTA de RAMA’10などの野外フェスティバルにも出演を果たした。 ライヴハウス・クラブ・カフェ・野外と場所を問わずに活動を続け、京都のバンドの中でも2010年にひときわ輝きを放っている彼らに迫ってみた。
スタッフ二号 まずはお名前と担当のパートをお願いします。
山本啓 バイオリン担当山本啓(上の写真右)です。
川上優 ドラム&パーカッション担当の川上優(写真中右)です。
景山奏 ギター担当の景山奏(写真中左)です。
堀川達 ベース担当堀川達(写真左)です。
Nabowaをしっかり表現できたので、「Nabowa」というタイトルになりました。
スタッフ二号 「Nabowa」というセルフタイトルでのリリースですが、どのような思いからセルフタイトルにしたのでしょうか。
優 フルアルバムとしては2枚目で、前回出したときは初めてのことが多くて、全部手探りな状態でした。今回はその経験を生かしつつ、間にミニアルバムのリリースもあり、録音の仕方・アルバムの作り方が自分たちに備わってきました。今回は録音から全て自分たちでやってみようということで、前回まではエンジニアの方に録音やミックスをしてもらっていたんですけど、今回はそういった見えないところまでも自分たちで全部表現したいなと。その分、かなり時間がかかっているんですけど、今までよりも自分たちがやりたいことが表現できたかなという高い満足度があって、Nabowaをしっかり表現できたので、「Nabowa」というタイトルになりました。
スタッフ二号 タイトルは最後の最後についたんですね。
優 最後の最後。ギリギリです(笑)
達 今回セルフタイトルになっているのは、前のフルアルバムから2nd「Nabowa」の間に、色々な所でライヴをさせてもらって、お寺とかクラブとか、カフェでも結婚式でもやるし、そういうのを全部ひっくるめて、僕らなんやなっていうのもあってセルフタイトルにしました。だから、力強いクラブ仕様のも入っているし、ジャンルとしては何に属するんやねんってなると思うんですけど、そういうのをひっくるめてNabowaなんですっていう思いをこめています。
スタッフ二号 以前までのアルバムでは軽快・軽やかな印象が強かったのですが、「Nabowa」では力強さも感じることができました。
優 最初に言った力強さ・男らしさを出したいと思っていたので。そこはうまく表現できたかなと思っています。 前のアルバムにとらわれないようにしたっていうか。次出すときも全然違うことやりたいんですけど、それはこれからも4人でやる上でとても重要なことかなあと。
スタッフ二号 ゲストボーカルでACOさんを招いた「キッチンへようこそ feat. ACO」など、面白い試みもありますね
優 ボーカル曲はやりたくて。前回のミニアルバムでもカコイミクちゃんにも歌ってもらっているんですけど、それを生かして。ただ、前回は行き当たりばったりで歌詞を決めてしまった面もあったので、今回はもうちょっと作りこんでみようと男の人と女の人を一人ずつ、一曲ずつ入れようということを最初に言っていました。曲ができていない時からその予定ではいたんです。僕らで歌えればいいんですけど、歌に関しては表現が乏しかったので(笑)、ACOさんにお願いをして。曲自体は彼(景山奏)が全部作っています。
「ずいぶん大きい物を与えてもらったな」という感想
スタッフ二号 そのアルバムを携えてのリリースツアーを回られて、東京でファイナルを迎えられました。およそ二ヶ月で約30公演のタフなツアーだったのではと思うのですが、終えてみていかがでしょうか。
啓 前のツアーもやっぱり終わってみたら変わったなというのがあったんですが、今回はさらに「なるほど、これってこういう感じで進んでいくんや」って、いろんなことがわかったツアーだったなと思いました。やはり得るものはすごく大きかったですね。実際にライヴをやっている姿をお客さんに見せる以外の部分にも得るものがあって、それが雪だるまみたいに大きくなっていくというか。終わってみたら、「ああ、ずいぶん大きい物を与えてもらったな」という感想。 会場の大きさとかもそうなんですけど、大きい所でやれる状況っていうのは、回数を重ねないとセットリストであったりとか、そういうものも見えてこないんだなっていうのもわかりました。あとは結構疲れましたね(笑)すごく楽しかったですよ、いろんな人にも会えて、おいしいものも食べれて。
スタッフ二号 ツアーの中で、印象深い公演などはありましたか。
優 CDでもいろんな人に参加してもらっているんですけれども、ツアーでも色々な所でちょっとずつゲスト参加もしてもらいました。ゲストとしては誰が一番印象に残っている?
達 インパクト的にはACOさんが強かったなあ。
優 ACOさんは個性が強かった。
啓 最後は僕ら兄貴って呼んでましたからね(笑)
優 舎弟の関係みたいな。
啓 「お前らいくぞー!」みたいな感じで、小柄なほっそい体なのに男らしくて。
優 あとは福岡!最後の方にあったんですけど、向こうで企画してくれている、HANABIの谷川さんと3ヶ所回ったんです。中日もありながら、お酒も飲みながらとコミュニケーションをとりつつ。セットリストが大事なことをすごく言われて、その3ヶ所の中でも色々試しながらやっていって、最後の日が一番雰囲気が良くて。そういう発見をもたらしてくれた九州にはすごく感謝しています。
啓 すごい熱い人で、僕らの曲なのに僕ら以上に曲のことを客観的にも理解しているというか。セットリストの提案も、「こうこうこういう理由で、ここでこうで、これでどうやー!みたいな感じでどう?」と言ってくれて。それは確かにそうですねって感じで。 一曲一曲っていうのが、僕らは雰囲気もバラバラなので、順番次第で全然聴こえ方が違うっていうのを教えてくれて。自分たちではよくわかんないんですよね。作ってライヴをするときになって、どういう順番でやるかって、なかなか客観的になれないんで。だからもっともっと外から見れるようになったらなっていうのはありますね。
スタッフ二号 自分たちの曲の中にも発見があったんですね。
啓 ありましたね。これってこんな感じに聴こえるの?って。