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The冠 インタビュー

「本気でやってるっていうのがもう、大好きなんですよね。」

スタッフ一号 すごくポジティブなものが根っこにあって活動しているというわけですね。昨年の10月に出されたアルバムのタイトルで「最後のヘビーメタル」を標榜されているわけですが、どういう思いでそう名乗られてるのか、ヘビーメタルに対するポリシーを語って頂ければと思います。

The冠 「最後のヘビーメタル」って曲は、すっごい人気のある後輩バンドにライブイベント誘われて、先輩ですから気を遣われて「トリやって下さい!」って言われて、その後輩の大人気バンドが超盛り上がって終わって自分がステージ出たら客がサラーっていなくなったっていうストーリーなんですけど。そんな曲に「最後のヘビーメタル」ってタイトルつけたんは、「こいつがほんまに最後のヘビーメタルなんかな」って思う奴もいれば、「お前ごときが最後のヘビーメタル名乗んなよ」って腹立つヘビメタファンもおるかなって思って。
そうやって「ヘビーメタル」という単語を表にたくさん出すことによって、今まで隠れヘビメタファンだった奴が、地下からドンドン出てきてほしいなって。そういう思いがあって「最後のヘビーメタル」を名乗ってるんです。 結構ね、隠れヘビメタっているんですよ(笑)。クラスでねぇ、大半の奴は聴かないと思いますよ、そりゃ。ヒットチャートで「嵐がステキ♪」とか「エグザイル最高」って言ってる中に、いるんですよ!そういう人に「ええねんで!メタルは恥ずかしないねんで!」って言いたいんです。まあこんなオッサン見てね、どうかなとは思うんですけど(笑)。

スタッフ一号 いや、でも出てくると思いますよ。

The冠 ハイ、出てくると思うんです。だからね、クラスでイッチバン可愛い子が「んー、私はヘビメタかな♪」ってね、言ってくれる時代が来てほしいなと。そしたら男の連中は全員聴くでしょ。メタルコピーしまくるでしょ。学校中コピバンだからけですよ。そうしたいと思ってますよ僕は。 これだけ衰退してたら上がっていくしかないですから。まあ衰退という言い方がどうなのかとは思うんですけど、日本ではそんなポピュラーな音楽でもないんで。だから僕が茶の間に出てるのも、ヘビメタを広めたいっていうのもありますし、あえて自分でヘビメタ歌手って言ってるんです。

スタッフ一号 そうして、これまでの長いキャリアの全てを注ぎ込んできたヘビメタという音楽の魅力はどこにありますか?

The冠 えーとねぇ・・・いっぱいあるんですけど・・・もともとは「なんて激しくてカッコイイ音楽なんだ!」というのがあったんですけど、今思うのは「ムダに全力」なんですよね、ヘビーメタルって。「いらんやん!」って思うことがいっぱいあるんですよね。もう前奏1分くらいあって「はよ歌はじめたらいいのに」ってJ-POP好きの人はたぶん思うんですけど、そこにヘビメタの美しさがあって、そのムダこそ美しいという。リフの構築とかギターソロの長さとか、速弾き見せつけるとかツーバス踏み倒すとか、あれ別に、なきゃないでいいんですけど(笑)、それ全力でやってる様って、美しいんですよね。
で、ヘビメタってね、結構マジメな音楽なんですよ。なんか血だガイコツだ悪魔だってのは悪ぶってるわけですよ。普段はもーみんなオタクで、チマチマ練習してるんです。それを「悪魔がどうたら、血みどろだー!」ってやってる感じね、半分笑けるけど、その必死さが美しかったりしますね。言うたら、ほんといい意味でアホなんですよ。第三者から見たら「アホちゃうけ」っていうことを、本気でやってるっていうのがもう、大好きなんですよね。

スタッフ一号 魅せるっていうことに全力なんですね。ヘビメタ以外のところで、劇団での活動や、今それこそメディアに出演されまくってるわけですが、その活動がヘビメタに活きて来るということはありますか?

The冠 劇団☆新感線の舞台は、エンタテイメントの極致みたいなところなんですよね。僕が出るのはミュージカルみたいな、生バンドと演劇が混ざったような作品なんですけど、新感線の舞台の構築の仕方って、ほんと一個一個、手抜きが一切無いですよ。デッカイところでやるんですけど、数センチの小道具に対してもものすごい魂入れて作ってるんですよね。ほんでいざ見たらものすごい作品になってるんですよ、演出の仕方とかも。そういう意味では、人の魅せ方、喜ばせ方、聴かせ方、笑かし方、メチャクチャ勉強になりますね。
で、バラエティはバラエティですごい司会の方とかいろんな空気を読んで番組を盛り上げようとしてますよね。頭の回転が速い司会の方とか、「どうやったら面白くなるやろう」って考えて瞬時にやる出演者の人とかを見て、これもまた勉強になります。まだ新しく入ったバイトの初日みたいなノリでTV出てますけど、ちょっとでもライブに持ち帰って、成長していきたいと思ってます。あとまあ、知名度もやっぱり上がるんで、そこもライブにつなげたいなと。

CD情報

最後のヘビーメタル~LAST OF HEAVY METAL~
2010年10月27日リリース

収録曲
1. 私だけの十字架
2. あなたの知らない世界
3. 草食ロードウォーリアーズ
4. 中3インマイドリームス~行ってみたいなL.Aに~
5. サンライズ
6. 永遠の咬ませ犬
7. 男達の挽歌~ミソジヨソジオヤジエレジー~
8. 美しき暴動
9. 笑顔のままで
10. 最後のヘビーメタル

THE冠×SEX MACHINEGUNS「SEX 冠」関西ライブ!

■SEX 冠 @京都MUSE
公演日:2011年4月7日(木)
会場:京都MUSE
open 18:30 / start 19:00
料金:前売 ¥3,800 (税込み)ドリンク代別
チケット発売日:2010年2月19日(土)
問い合わせ先:
GREENS

■SEX 冠 @大阪Shangri-La
公演日:2011年4月8日(金)
会場:大阪Shangri-La
open 18:30 / start 19:00
料金:前売 ¥3,800 (税込み)ドリンク代別
チケット発売日:2010年2月19日(土)
問い合わせ先:
GREENS

プロフィール

THE冠

本名:冠徹弥(かんむりてつや)。1971年生まれ。京都府出身。1991年、伝説のエンタテイメントバンド「SoWhat?」を結成。大阪・京都を中心に活動を始める。2003年、渋谷OnAirWestにて「So What?」解散後、THE冠としてソロ活動スタート。2004 THE MAD CAPUSULE MARKETシングル『SCARY』コーラス参加。ユニット「SKUNK RICE」にVo.として参加。ベトナムにて15000人動員のイベントに出演し、海外進出を果たす。
2005年には「THE冠」1st miniアルバム『冠祭』リリースし、2006年、聖飢魔Ⅱカバーアルバム『voice』参加、劇団☆新感線 舞台『メタルマクベス』出演。2008年には増田こうすけ劇場「ギャグマンガ日和3」オープニング主題歌集や映画「デトロイト・メタル・シティ」にクラウザーのボーカル吹き替えとして参加、幅広く活躍する。 2009年「THE冠」1st フルアルバム『傷だらけのヘビーメタル』リリース。そして2010年、TV番組「大阪発疾走ステージ WEST WIND」を見ていた島田紳助が興味を持ったことで行列のできる法律相談所に出演し、ブレイクする。現在は各メディアに精力的に出演し、ヘビーメタルの伝導に務めている。

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