「コメディアン、タレントという意味ではなくて『背番号ヘビメタ』。」

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スタッフ一号　奇しくもご出身の京都でのインタビューとなるわけですが・・・

The冠　そうですよ。嬉しいですね。僕は宇治のほうで、お茶の畑があり、宇治川があり、平等院もあって、ほんとに癒される土地ですよね。学生時代までずっと、24〜5になるまでいたんですけど、そんときはなんとも思わなかったですけど、たまにこうして変えると「なんやええとこやんけ、宇治ええとこやんけ」って思いますね。

スタッフ一号　初ステージはやっぱり京都だったんですか？

The冠　もちろん。宇治の文化センターみたいな。小ホール。大は無理でした（笑）。

スタッフ一号　どんなアーティストから影響を受けてこられましたか？演奏活動に歴史とあわせて教えてください。

The冠　最初、中学2年の時に、ヴァン・ヘイレンに憧れて、『1984』ってアルバム聴いてギター弾きたいって思って、三条のJEUGIAで買ったんですよ。あれね、「中3インマイドリームス」のPVで言ってるのホントのことなんですよ。5万で買ったっていう。PVに出てくるのも中2で買ったギターそのままです。
バンド組んだんは高1で、軽音楽部集めて、まずはギタリストとしてやってたんですよ。高校2年の時に、1年で入ってきたドラムの奴がSoWhat?時代から今もずっと叩いてくれててますね。ギターの奴も同級生でデビューからSoWhat?解散まで一緒で。だから本格的にやり出したんは高校2年ですね。
ヴァン・ヘイレン以外だとRattとかDokkenとか、LAメタルが流行った時代ですね。モトリー・クルーもそうですし。ギターのテクニックを上げていきたいと思うにつれヘビメタも濃い方にいって、オジー・オズボーンとかジューダス・プリーストが好きになって、コピーしてた感じですね。
んで、高校3年になって、ボーカルの女の子が「受験があるから辞めたい」って。でも定期演奏会決まっとると、どないすんねんと。でも私やりたくないと。ハイトーンなんで当時女性ボーカルだったんですよ、高い声出ないから。出ないと思ってたんですよ。でも、「しゃあないわ、俺やるわ」って言って、声出してみたら高い声出たみたいな（笑）。「ヒャー！」って「出るやん！これでええねや」って。まあ全然できてなかったんでしょうけど、そっからですね、ボーカリストとしては。

スタッフ一号　今度SEX MACHINEGUNSと2マンでツアーするわけですが、以前から親交があったんですか？

The冠　SoWhat?時代は一回もからんだことないですね。で、みんなから僕らのほうがバンド歴では先輩なんですけど「SEX MACHINEGUNSみたい！」って言われて、一緒にやるんやろうなとは思ってたけどお互い「一緒には・・・」っていう気持ちがあったみたいです。それ2年前にツアーしたときに話してわかったんですよ。Anchangも「SoWhat?とはやりたくなかったんだ、実を言うと」って。なんというか、ライバル視というかね、いい意味で負けたくないという気持ちがあったんで。お互い存在はよく知ってるし、どんな音楽やってるかも重々承知の上やったけど、長いこと絡んでなかったっていう。2年前からはAnchangが40、僕39で、お互いこのヘビーメタルってジャンルを盛り上げていこうぜって徒党を組んでやってる感じですね。

スタッフ一号　私どもの「京都で遊ぼう」というサイト名に引っ掛けまして、インタビューの際にお聞きしているお決まりの質問なんですが、冠さんにとって「京都で遊ぶ（おすすめ・お気に入り）ならここ！」という何かがあれば、ぜひお教えください。

The冠　デートだったらねえ、大学時代、宝ヶ池は行ったなあ・・・宝ヶ池、将軍塚、行ったなぁー、楽しかったなーあの頃。デートスポットとしてはベタベタですけど、よく行ってましたね。男同士でも行ってね、人のラブラブなところを覗いたりね。そんときは彼女いなくて悔しかったんでしょう（笑）。
よく飲んでたのは河原町ですね。いっときね、祇園のスナックもハマったんですよ。危ないですけど、友だちがやってたんで全然ボッタくられなかったですね。「祇園で飲んでるぞ」ってことを周りに言いたかったんでしょうね。 あとは鴨川べりでね、当時ねるとんが流行ってたんですけど、「お願いします！」とかやってね。んで「ごめんなさい」って言われて、みんな爆笑してて「オモロイな」思て、「くそー」って鴨川に飛び込んだんですよ。いつも（水深が）ひざ下くらいでしょ、鴨川って。ほしたら、前日大雨降ってたってことすっかり忘れてまして、増水してましてね、100メートルくらい流されて。危ないですアレ、死ぬか思いましたよ。岸べりに「ガンバレー」言いながらみんなついてきて、岸に手つこう思たら足でパーン蹴られて「もっと泳げー！」みたいになって、ベロンベロンですから「ホントに死ぬからー！」言ったら助けてくれましたけどね（笑）。たぶんね、僕40年弱生きてますけど、一番死を感じた瞬間でしたね。真冬にね、革ジャン着て。そんなこともありましたね。
クラブとかはあまり行かなかったですね。ライブハウスは多かったんですけど。

スタッフ一号　思い入れのあるライブハウスはありますか？

The冠　ウーピーズとか、あとMUSEとかはもうちょっとデカくなってから・・・ARCDEUX（アークデュウ）っていうのがあったんですよ。まだある？まだメタルのハコ？（スタッフ「メタルではないですねー・・・」）ARCDEUXは高校ん時から出てたかなー。
知識もないんでね、雑誌とかに載ってる京都のライブハウスに片っ端からデモテープ送ってね、「出さしてください！」みたいな。昔のライブハウスって結構ね「まだ出せねえなあ」みたいなのがあったんすよ。今やったら「お金さえ払ってくれたらいつでもどうぞ」ってね。ノルマは昔もあったんですけど、昔はなかなか出さしてもらえなかった。
あとは拾得、磔磔もやりましたけども。磔磔でやらしてもらったときは嬉しかったですね。「あー京都やなー」って、むちゃくちゃ趣きのあるいいライブハウスですから。いずれまたやりたいですね。

スタッフ一号　最期の質問です。ますます活動の幅が広がってきているわけですが、今度の活動について意気込みを聞かせて下さい。

The冠　今、めちゃくちゃライブしてます。もちろんTVとかお話があれば、僕全部出たろと思ってるんですよ。ただ、コメディアン、タレントという意味ではなくて「背番号ヘビメタ」。ヘビメタを背負って、ミュージシャンとしての立ち位置で、ヘビメタという音楽と、自分という人間を広めて、それをかっそりライブに持ってきたいなと。
世代にもよりますけど、今の気持ちをわかりやすく言うと、番場蛮の気持ちですね。「侍ジャイアンツ」ってマンガがあったんですけど、主人公の番場蛮って巨人軍が大っきらいなんですよ。でも、鯨の腹の中入って中から出てくるっていうあの気持ちですね。不慣れなとこで、右も左もわからん、TV出てお客さんからもいろんなことも言われたりするけども、「まあ見とけ」と。俺はその土手っ腹に入って思いっ切り突き破って出てきたるという気持ちがありますね。梶原一騎に感謝ですね。「侍ジャイアンツ」よありがとうと。まあそんなことは書かなくていいんですけど（笑）。

スタッフ一号　まあ書くんですけど（笑）。本日はありがとうございました！

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