【レポート】特別展覧会「没後150年 坂本龍馬」内覧会
10月15日~11月27日に京都国立博物館で開催される特別展覧会「没後150年 坂本龍馬」の内覧会に行ってまいりました!
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実は本日10月14・15日は、約150年前に大政奉還の行われた日。徳川慶喜が政権を朝廷に返す大政奉還を宣言し、翌日朝廷がそれを受理したという歴史的な日です。
坂本龍馬はその大政奉還に大きく関わった幕末を代表する偉人。
その展覧会がこの日にスタートするということに何か感慨深いものを感じさせます。
「龍馬は新しい日本の在り方を目指し、奔走した立役者。150年前を思い返しながら、龍馬の功績を振り返ってみてほしいと思います」(佐々木丞平館長)
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来年が大政奉還、そして龍馬が没して150年目にあたることを機に開催される今回の展覧会では、龍馬が残した手紙を中心に、約200点が展示されます。
現在残っている・存在がわかっている龍馬の手紙はおよそ140点。展覧会ではそのうち72点(展示替含む)が登場。展示される手紙は、まだ江戸に剣術修行に出たばかりの若かりしころのものから、亡くなる直前のものまでがそろっています。
一般に昔の人の手紙は何を書いているかわからず、難しい、面白くない...と思われがちですが、この展覧会ではほぼ全ての手紙に書き下しや内容の解説パネルが添えられており、楽しく読むことができます。
「龍馬の手紙は、例え話が多かったり、擬音語を多用していたり、今も聞くような言葉も使っていたりと、親しみやすいものが多いんですよ」と仰るのは、今回の展示企画を担当した宮川禎一先生。
あて先も、兄・権平や姉・乙女ら故郷の家族から、海援隊の仲間たちや桂小五郎ら幕末の志士たち、そして妻のおりょうなどさまざま。内容も薩長同盟や大政奉還といった大仕事を目の前にした大変緊迫した状況を伝えるものから、日々のことをイラストなどを交えてユーモアたっぷりに伝えるものまで幅広くあります。
「手紙を読んでいると、龍馬は人に心配りができ、基本的に楽天的で、"話せばわかる"という精神を持っていたことがわかります。龍馬は手紙のなかに生きているんです」(宮川先生)
手紙のほかにも、龍馬が剣術・武術の修行で得た免状や、雑記帳(メモ帳)や日誌、実際に使用していた湯飲みや着物(着物は京都展のみ)といった遺品類、近江屋で暗殺された際に部屋にあった掛軸や屏風幕末の様相を描いた瓦版や錦絵など、さまざまな資料が並び、色々な角度から坂本龍馬という人と彼の生きた時代をたどることができます。
また、近年NHKのバラエティ番組内で見つかったことで話題となった龍馬の手紙「越行の記」など、新発見に基づくものが多数登場しています。
そして今回の展覧会では、京都国立博物館が所蔵している龍馬の刀「銘吉行」「銘 山城国西陳住埋忠明寿作」と、昨年新たに発見された龍馬佩用の脇差が、3振りそろって公開されます。
この3振りがそろうのは、1929年に行われた展覧会以来87年ぶり。京都展のみの限定公開です。
刀はこの他にも、龍馬の友人であった武市半平太が使用していたものや、大政奉還の後、京都で英国公使が襲われた「パークス事件」で使われた襲撃犯と警護者双方の刀なども登場します。
坂本龍馬は本当はどんな人だったのか、彼が生きた幕末はどのような時代であったのか。
新たな一面や魅力に出会える展覧会です。
※ちなみに、音声ガイドは歌舞伎役者の尾上松也さんが担当。龍馬の手紙の朗読もあり!
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