→ 前編より
気づけば、1月ももう終わりですね。うむむ。
さて、京都画壇のことをやんわり理解したところで、
「続 京都日本画新展」のことですが、
京都画壇の将来を担う(!)人材の育成をめざして創設された
「京都日本画新展」のリニューアル版らしいです。
以前は、推薦をした人たち(先生とか)が、
作品の審査をしていたけれど、
今回からは、「審査は別の人にお願いしよう」ということで
画家を選ぶ人 画家 審査する人 に分かれたそうです。
なので、「京都日本画新展」ではあるが、ちょっとやり方が変わったし、
「続」ってことにして、「続 日本画新展」にされたそうです。
「続」って ぞく と読むと、本当に前のまま(例:第一回に次ぐ第2回)
みたいだし、しょく と読んで、より真新しくしてみましょう…。
(日本画新展は日本画新展なんだけど、中身がちょっと新しいんだよ!ってこと)
そんな感じらしいです。
「なんで しょく と読むのですか?」
と受付の方に聞いたら、詳しい方がカーテンの裏から(!!)出てこられて、
教えてくださいました。
入場無料で、地味な感じの展覧会かと思いきや、
主催や後援は、「京都○○」と、京都の名の付く大御所が
たくさんついており、重みのある展覧会なのだな、と気づきました。
作品を出して選抜されるのではないから
画家さんも忙しいだろうに、ひょいと(?)推薦を受けて
それから「新作」を出すというのは、
なかなかのプレッシャーではないでしょうか。
期日までに思うように描けなかったらどうするんだろう…とか
心配になりますが、そういうことは全然感じさせない作品がそろっていて、
画家の実力と根性が垣間見られました。
大賞は、とても良い作品でした。光景として美しかったです。
他の作品も「新しい」感じがしましたが、景色としてぐいっと
魅せられたのが大賞の作品 若狭悌尚「甘雨」でした。
しかし優秀賞とは接戦だったんじゃないかなあ。
(パンフレットを撮影 写りが…申し訳ありません。
実物はパンフレットとも随分違う感じでしたよ。
若狭悌尚「甘雨」・大賞
石橋志郎「灰色の空、まだらな地上」・優秀賞
勢野五月葉「たのうみ」・優秀賞)
個人の感想としては、去年、栖鳳や松園や…そういう作品を
目の当たりにしたので、色の美しさや、透明感、絵の静かな雰囲気も
もう少し楽しめたらなあと生意気なことを思いました。
結局、単純な私の、日本画の魅力はそこみたい。
そういう「元祖」な作品は少なかったかも。
見て、すぐに「あー日本画や、きれい」って思える作品ではなかった。
それが最新の日本画なのかもしれません。
ちなみに推薦を辞退しないで作品を出すと、5万円支給されるそうです。
大賞は50万円の賞金も出るということで、これなら「若い人材の奨励」に
なるなあと安心しました。やっぱり、作品発表の場を与えられるだけでは
作家さんもやりきれないだろうからなあ…。
最近発表のあった芥川賞や直木賞も新人賞なわけで、
こちらも(新人賞でなくとも)
そのくらい盛り上がったらいいのになあと思ったりしました。
画像はWikipediaより
左:竹内栖鳳筆 「アレ夕立に」絹本着色
右:上村松園「序の舞」
*松園さんは竹内さんに師事していたんですね。
がんばって京都画壇!!