投稿:2011年6月14日
「なげきつつひとり寝(ぬ)る夜のあくるまはいかに久しきものとかはしる」 ――あなたが来ないことを嘆き悲しみながら独りっきりで寝る夜は、明けるまでなんて長いことでしょうか。あなたにはこの苦しみが分からないでしょうね。 小倉百人一首にも採られている有名な一首です。作者は藤原道綱母。愛する夫を待ち続けて、独り寂しく夜を明かした女性の、切なさ、虚しさ、憤りが込められた歌です。道綱母がこの歌を詠...
投稿:2010年12月20日
誓願寺と誠心院~和泉式部日記から学ぶ恋の作法 京都の繁華街、新京極通と六角通が交わるところに、誓願寺というお寺があります。また、そこから少し南に下ると誠心院というお寺があります。ふたつとも、平安時代の歌人である和泉式部にゆかりの深いお寺です。 和泉式部は恋多き女として知られ、道長からは「浮かれ女」とからかわれ、同僚の紫式部からも「けしからぬかたこそあれ」(『紫式部日記』)と評されています。 夫ある...
東京都在住ですが、東京都を「東の京都」と空目してしまう京都好きです。京都の展覧会にはなかなか行くことかなわないので、古典エッセイめいたものを書かせていただけたらと思います。