この出会い大事にしなあかんって。急遽祝島の猫ちゃんの写真に切り替えた。
スタッフ二号 中川さんのTwitterを見ていると社会的なつぶやきが見られますよね。前作の『アクア・ヴィテ』は山口県の上関原発と関わりがあって、山口県出身なので「おおっ」と思いました。
中川敬 あの『アクア・ヴィテ』の猫ちゃんのジャケットに関しては、ちょっとした物語があって。マスタリングが終わって、広島の横川シネマから連絡が入ったんよ。俺がTwitterで祝島や上関原発のことをつぶやいてたからなんやけど、「中川さん、今度横川シネマのソウル・フラワー・アコースティック・パルチザンのライブで、反原発運動をやってる若い子達とコラボレーションできませんか?」と。俺は二つ返事でメールで、ええよーって。半分冗談で「上関原発建設反対ギグでええんちゃう」って。で、行ってみたら「上関原発建設反対ギグ ソウル・フラワー・アコースティック・パルチザン」って書いてあった(笑)会場の中に、祝島の、漁師の写真とか、阻止行動の写真とかが展示してあって、祝島でとれたタコの入ったおにぎりとか、祝島のびわ茶をお客さんに出すとか、そういうコラボレーションをやって。そのときにソウル・フラワーの物販を手伝ってくれている女の子がいてね、その子が終わったあとに写真を全部片付けてたんよね。名前を聞いたら、山戸さん。もしかして祝島の子ちゃうかなと思って、あなたもしかして祝島の人っていうと、そうですって。ちょうどDAYS JAPAN(※8)の祝島特集を読んだあとで、反対運動をしている中心の人に山戸さんという人がいたのが脳内にインプットされてて、もしかして山戸さんの娘さんって聞いたら、ドンピシャ!で、彼女の撮った写真を見せてもらって、その中に、あの猫の写真があったんよね。急遽、ジャケット・デザイン変更!
スタッフ二号 その時に、『アクア・ヴィテ』のジャケットの写真に出会われたんですね。
中川敬 ジャケット・デザインの締め切り、あと一週間くらいの時期で、実は違う写真でデザイン進行してたんやけど、ふとひらめいてね。この出会いは大事にしなあかんって。で、急遽祝島の猫ちゃんの写真に替えて。それだけじゃあかんなと思って、ツアー終わったあとに、車走らせて、祝島に行った。
スタッフ二号 山口出身ですが上関原発のことはあまり身近に感じられていなくて。Twitterで中川さんなどのつぶやきを見てより、身近に感じるようになりました。
中川敬 俺も、実はTwitterで上関原発・祝島のことが身近になった。具体的に自分らでは辺野古の運動の方に関わってるから、米軍基地のことの方にばっかり頭が行ってて、原発問題のことはここ暫く疎遠になってた。Twittreでどんどん情報が入ってきて、起こってることが辺野古とそっくりでね。
日本には社会がない。あるのは世間ばかり。だからソウル・フラワー・ユニオンで作っていきたい。
スタッフ二号 最後にお聞きしたいのですが、今の時代と昔の時代に比べてミュージシャンの活動は変わってきていますか?
中川敬 大枠では変わってない。基本的にマスコミ、大企業に牛耳られてて。ただ、アンダーグラウンドの動きが少しずつ少しずつではあるけど影響力を持ち始めてる。ボロフェスタでもそうやし、こういう流れは止まらないよ。だから変わっていくよ、これから徐々に。ただ、大枠では変わってない。それを変えていけるのは、能動的な一人ひとりの発信にかかってる。まず、地上波を消せ!やね(笑)。
スタッフ二号 一人ひとりというのは、ミュージシャンだけでなく、一般人のことも指していますか。
中川敬 もちろん!テレビなんてこの15年くらいドキュメンタリーとサンテレビ(阪神戦)以外殆ど見ないけど(笑)、何も困らないよ。昔からよく言うよね、日本には社会がない。世間しかないって。いわばテレビが世間やね。社会がない。だから、ささやかではあるけど、まずソウル・フラワー・ユニオンで作っていきたい。これから変わっていくよ、どんどん。ここ数年面白い動きが起こってきつつあるなあって思うよ。
スタッフ二号 その中でTwitterに飛びつくのは流石だなと思いました。
中川敬 Twitterはたまたまやねんけどね。去年、ヒデ坊が中心の『Peace Music 宜野湾』があって、辺野古の問題を広めたくて。その頃知り合いが「中川、Twitterやるべき」って。で、よくわかんないまま去年の8月くらいにソウル・フラワーで始めてみた。ある種、俺向きかなっていうところもあってね。「公の場でぼやく」のはまさしくおれの十八番やん!みたいな(笑)
スタッフ二号 なるほど!(笑) 本日は貴重なお話も伺えて嬉しかったです。ありがとうございました。
※8 DAYS JAPAN
株式会社デイズジャパンが発行するフォトジャーナリズム誌。ジャーナリズム本来の「監視の目」としての役割をになうべく、大手メディアが報じない世界の現実を伝えている。
CD情報
収録曲
1. 死ぬまで生きろ!
2. かもめ
3. 殺人狂ルーレット (ライヴ・レコーディング)
4. アル・ファジュル (ライヴ・レコーディング)
5. 酒と共に去りぬ (ライヴ・レコーディング)
6. 夏到来 (ライヴ・レコーディング)
7. 夕立ちとかくれんぼ (ライヴ・レコーディング)
8. 外交不能症 (ライヴ・レコーディング)
9. 死ぬまで生きろ! <インスト>
京都で彼らのライヴを見よう!
■ソウル・フラワー・モノノケ・サミット
もののけ盆ダンスツアー/~辺野古の海から世界が見える
日時 2010年8月26日(木)
会場 磔磔
共演 知花竜海(from 琉球)/ 上間綾乃(from 琉球)
開場 18:00 / 開演 19:00
料金 前売 4,000円 / 当日 4,500円(税込・ドリンク代別途)
■ソウル・フラワー・ユニオン
「ダンスは機会均等!」ツアー
日時 2010年9月19日(日)
会場 磔磔
ゲスト 片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ
開場 18:00 / 開演18:30
料金 前売4200円 / 当日4,700円 (税込・ドリンク別・整理番号付)
キッズチケット 前売2,100円 / 当日2,300円 (税込・ドリンク別)