→ (1)はじめに KG(ARTZONE&富美代)&KG+ 編
(ANEWAL Gallery)
周囲は全部、新興住宅という立地の中で正真正銘の町屋が残っていました。築130年の家の作り。
まん真ん中にある庭の幸せ。すごく静かな気持ちになれた。
床の間にピエロのモノクロ写真。サーカスの写真展だった。
外国の作家さんから「ここで展示をしたい!」とよくオファーがあるのだそうだ。その気持ち、わかる気がします。
上記のように町屋そのままのギャラリーもあれば町屋を改装したギャラリーもある。
レオナルド・ペレガッタ 写真展 “IL CIRCO / サーカス”
(堺町ギャラリー)
みくさん(16歳)は、挨拶ができる。
夕方になるとギャラリーへ出てきて、私みたいな人に「にゃあ」と言ってくれるのだそうだ。(オーナー談)
夕方に来てよかった!!
カレー味のマカロン。
ハチドリの柄のカップはコーヒー豆のパッケージとたまたまおそろいで、春風さんのセンスが出ている。
春風さんはコーヒーのバイヤーで今回は展示に合わせて臨時で屋台を出されたのだそうだ。
普段からそこにあるような馴染み具合。
作品世界と相まって、ギャラリーそのものが別世界のようだった。
猫に、コーヒー屋さんに、お話に夢中なお客さんに、静かなオーナー…優しいドラマが展開されていた。
(ギャラリーH2O)
暖簾をくぐって路地を渡ると、空間が開けて場が現れるのが京都のちょっと不気味で、楽しいところ。
それ、好きなのですが、不思議な感じになかなか慣れない。
日露戦争が終わったころ、絵葉書ブームが起きたのだそうだ。
私は絵葉書が好きですね。いいよね、絵葉書。
京美人の4枚セットみたいな写真ハガキが展示されていたが、わあ、あんまり美人じゃないです。
(gallery a.p.p. kyoto)
碁盤の目、低い屋根、狭い道。
平屋の住宅地にレストランが出現。表通りに近いほうがギャラリーで、奥がキッチンのようでした。
作品は9.11がテーマだったり、震災についてだったり。
一見わからなかったのだが、解説文を読むと、作家の視点に感心するばかりだった。
ギャラリーの天井に、古い黄ばんだ新聞紙が張り付いていてこの家屋の歴史と、この作品群の事件と時空が同じなのが不思議だった。
a.p.p. photography
(便利堂コロタイプギャラリー)
長く、誰かの心に残っているような風景写真。
作品もさることながら、感動したのは、コロタイプという技術について。
コロタイプの印刷が永遠なんじゃないかと感じた。
現在のところ、100年以上を経て色あせずに写真を保てているのは、コロタイプだけのようだ。
こちらでは、コロタイプの印刷風景も見学できる。
私の他に、若い時から写真を続けられている初老の男性がいらして、二人で色々解説を受けた。男性のお話も楽しかった。
「デジカメも持っているが、家に帰るまで、撮影したものを見ないようにしている」のだそうだ。
(GALLERY9 Kyoto)
写真屋さんの上の階。
Baku Nagaiさんはモヒカンの写真家さんだった。
一人の作家から全く別の写真が生まれていた。
一方はモノクロ写真。一方はデジタル加工をし尽くしてビビットに仕上げた作品。
作品集には詩がついていて、それが面白くて一緒に笑った。
また来年も参加されるそうだ。モノクロの写真はとてもよかった。
展示の仕方について、尋ねると、リズムだ、とおっしゃっていて、すごく納得がいった。
ここに限らず、KG+は相当に展示の仕方がうまい。
作家というのは本当にセンスがいい。それ全部、感覚なわけ?
(MATUOMEGUMI+VOICE GALLAREY pfs/w)
この日は写真好きの友人が来ていたのでこちらのギャラリーへ連れて行ってもらった。
自分で地図を見ながら行かなくて済んだ唯一の場所である。
カメラや写真に詳しい人(友人)は見るところが違っている。
技術についての知識などがあいまって、楽しみ方が素人(私)よりぐっと深まるようだ。
京都駅の近くに、こんなに印刷屋さんがあったんだなあ、という印刷所の街のようだった。
参加アーティストが多く、いっせいにれぞれの世界を展開していた。
そんな中、L判プリントの作品が足元にちらほら置いてあって、なんだかほっとした。「あ、写真」と思った。
(つくるビル)
ここへ来てみたかったのだ。
行ってみたいのにきっかけがないと、出向かない場所もあるね。
展示は前半後半で入れ替わった。
後半のときは、「のきさき市」が行われていた。
パンや、器などの手作りの品が売られてにぎわっていた。
(のきさき市は5月5日だったそうです。写真5月6日)
(ギャラリーギャラリー)
反対から読むんだからね。グンイ…って読まないでね。
外に旗は出ていなかった。中に旗があると迷子になるのだが、ここは明らかに、これしかないやろ、な有名ビル。
こちらでは本当に、この場にぴったりの作品が展示されていた。
語弊があるかもしれないが、「魔女的!」な作品だった。
私にとって、「ギャラリーギャラリー」は、どうも魔女なイメージの場所で、それが楽しかったりします。個人的意見ですが。
それにしても、どこも作品と展示場所がぴったりだった。
フェスティバル開催にあたって、マッチングが考え抜かれているのだと思う。
(Project Room)
KG+ではプロの写真家とセミプロの写真家(いわゆる新人さん)が参加しているのだが、こちらの展示はプロのものだった。
作品は しん、というか、すん、としていた。
プロと新人さんの違いは、何かな、と思う。そういうのが、あるのかないのか。
だけど、いい作品は好き嫌いを超えて、「いい」んだろうと思う。
写真は、その人じゃないとみつけられないものが写った時に「作品」になるのかな。
(ギャラリーメイン)
作家さんがお出かけ中で、詳しい方もいなかった。
私とおじいさんがいて、二人でちょっとお話をした。
作品は京都の場所を写したもの。
おじいさんと二人で、多分これはあそこじゃないか、ここじゃないかという話をしたのだった。
知らない方とお話しできる。そんな楽しみもあるなあと思いました。
次回で最後です。
KYOTO GRAPHIE(京都グラフィー)