日本の三大祭のひとつにも数えられる、「祇園祭」。京都に暮らす人は、祇園祭が来る頃になるといよいよ夏本番を実感する、というほどの夏の風物詩です。祇園祭といえば山鉾巡行や辻回しなどがよく知られていますが、実は見どころは他にもたくさん!
2024年度の祇園祭山鉾巡行・及び関連行事(宵山等)は本来の形にて開催予定です。
※状況によりやむを得ず予定が変更となる場合がございます。詳細・最新情報については公益財団法人祇園祭山鉾連合会及び各山鉾町のホームページ等をご確認ください。
〜 京都の街中がミュージアム! 〜
日本の三大祭のひとつにも数えられる、「祇園祭」。京都に暮らす人は、祇園祭が来る頃になるといよいよ夏本番を実感する、というほどの夏の風物詩です。祇園祭といえば山鉾巡行や辻回しなどがよく知られていますが、実は見どころは他にもたくさん!
祇園祭とは、京都で毎年7月に行われる祇園・八坂神社の祭礼。その由来はなんと平安時代まで遡ります。
平安時代前期の869年。京都では各地で疫病が流行していました。そこで人々は神泉苑に、スサノヲノミコトなど祇園の神様を迎えた神輿3基と66本の矛を立てて御霊会(※)を行い、神に疫病を鎮めてもらおうとしたのが始まり、とされています。
(※災厄や祟りを防ぐための鎮魂儀礼。当時は天変地異や災いは不慮の死を遂げた人の魂による祟りと考えられていた)
室町時代になると四条室町を中心に町衆と呼ばれる豊かな商工業者が自治組織(両側町)をつくるようになり、各町ごとに山鉾を作って街中を巡行する現在のような形になっていきました。(現在も山鉾とそれを管理する鉾町は四条通・室町通近辺に集まっています)その後応仁の乱や第二次大戦などで中断もありましたが、その度に街の人々の力で復興し、現在まで実に千年以上続く歴史ある祭りとなっています。
祇園祭といえば?と聞くと、山鉾巡行とその前夜祭にあたる宵山を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに勇壮な山鉾が街中を練り歩く巡行や、豪快な四条河原町交差点での辻回し、そして夜、多くの出店が立ち並び賑わう宵山は祇園祭が一番盛り上がる大一番。京都が祭一色に染まるハイライト的存在と言えます。
しかし、祇園祭は決してそれだけではありません。実は祇園祭は7月1日から31日まで一ヶ月間続く長丁場。その間多くの準備や行事が行われるんです!
その中には一般の方も参加できたり、見たことのない祇園祭の顔を垣間見られたりと面白いものも沢山あります。ちょっといつもと違った祇園祭を堪能してみてはいかがでしょうか?
これまで毎年7月17日に行われてきた山鉾巡行ですが、2014年からは17日の「前祭(さきまつり)」と24日の「後祭(あとまつり)」の2日間に分けて行われています。
実はこれが祇園祭の本来の形。前祭の山鉾巡行で京都の町中の穢れを払い、それから八坂神社の神様をお神輿で町にお迎えします。そして1週間後、後祭でもう一度山鉾巡行で穢れを払い、神様を神社にお帰しするのです。
(お神輿で神様をお迎えする行事を「神幸祭」、お帰しする行事を「還幸祭」といいます)
山鉾巡行が17日にまとめて行われるようになったのは、昭和41年(1966)のこと。その後2014年から、再び前祭・後祭の形に戻されました。それにあわせ、宵山も前祭の14~16日の3日間に加え、後祭の前にあたる21~23日にも開催されています。
また、17日に1日開催していた頃は後祭の山鉾巡行の代わりとして「花傘巡行」が行われていましたが、こちらは後祭の際、山鉾巡行にに続く形で引き続き行われるようになりました。
タイミングを逃してしまうことなどの例えとして、「あとのまつり」と言いますが、これは祇園祭の「後祭」から生まれた言葉である、という説があります。
前祭の巡行は豪華な鉾が多数出るのに対し、後祭の巡行は山が中心で若干地味に感じられることから、「もう祭り一番の盛り上がりは過ぎている」としてこういわれるようになった、のだとか。しかし実際の巡行は後祭にはユニークな形の船鉾や大船鉾も登場し、山はどれも個性豊かで十分豪華な内容です。
後祭に行っても、決して「あとのまつり」にはなりませんよ。