投稿:2014年8月29日
「高島屋幻想博物館」展(京都高島屋・8月6日~12日)に行った。久々に刺激的な展覧会だ。 幻想とのタイトル通り、現実にはない世界に心を遊ばせる作品を集めた展覧会。 ジャンルには収まりきれない27人の気鋭のアーティスト達。 斬新な発想や技術に、参ってしまった。 「石と薔薇と貝」田島 徹/紙に鉛筆・水彩 煙水晶、枯れた薔薇、バイ貝のモチーフが、ヨーロッパの古い絵葉書のよう...
投稿:2014年1月16日
何必館「山口薫展」を見た。 「花の像」1937年 彼は1907年に生まれ、フランス留学の後、新時代洋画会・自由美術家協会・モダンアート協会の創設に関わるなど、常に新しい洋画を追求してきた。 「リラとつつじ」1950年 しーんとした空気。 それが、展示室を包んでいる。 具象の形態を取りながら、どこか謎めいた寓話性が見える。 ぼんやりとした輪郭が浮かび上がる画...
投稿:2013年8月 1日
京都国立近代美術館で開催されている「泥象(でいしょう) 鈴木 治 の世界」を見た。 初期から最晩年までの150点余り。 今回の展覧会の特徴は、鈴木氏の言葉を手がかりとして、活動を読み直すものだという。 「使う陶」から「観る陶」そして「詠む陶」へーこのサブタイトルは、彼の個展での言葉を元にしている。 《泥象》1965年 八木一夫、山田光らと前衛陶芸家集団「走泥社...
投稿:2013年5月30日
オーストリアとスイスの間にある小さな国、リヒテンシュタイン。 京都市美術館では、日本で初めて侯爵家が所蔵する世界最大級のコレクションを公開している。 これまで目にできなかった作品も多く、興味は尽きない。 ヘルマン・ポステュムスの「古代ローマの廃墟のある風景」は、展示を再三要請されてきたもの。 1536年ローマに滞在していたポステュムスが、皇帝ネロの黄金宮殿の遺跡をモチーフに描いた。...
投稿:2013年4月 4日
先日、細見美術館に行ってきた。 志村ふくみ、洋子の作品展(しむらの色)。 母上の小野豊さんから手ほどきを受けたふくみさん、そして長女の洋子さん、三代に渡って紡いできた染織の道。 志村ふくみ「不二」 ふくみさんの作品は古今東西の歴史や神話・思想・文学からインスパイアされている。 洋子さんは、ゲーテやシュタイナーの色彩論や社会問題への関心も深いようだ。...
投稿:2013年3月 6日
「冬の散歩道」(2012) 上野憲男は、これまでブルーを基調とする作風から「青の画家」と称されてきた。 今回で三回目となる何必館での個展。 2009年から2013年までの新作、これまでとは又違った境地を開いたようだ。 「草原の呼吸)(2012) 図録では、氏の言葉や散文が紹介されている。 それらは作品に対する理解を深めると同時に、アーティストが抱える普遍性も読み取れる。...
投稿:2012年12月20日
明治四十年、「丸善」が開店し、中学生だった須田は初めてゴッホを見て衝撃を受けたという。 その後、大学及び院で美術史を学び、実践として絵に向かう。 その為か、本格的な絵画人生は四十過ぎという遅咲きである。 須田国太郎は京都六角に生まれ、終生京を拠点に活躍した。 フランス志向が大半を占める時代にあって、スペインに留学したのは異色である。 ヴェネ...
投稿:2012年11月30日
高麗美術館で「朝鮮の屏風展」を見てきた。 こちらは上賀茂の南に位置し、住宅街の中に、 ふっと現れる。 近隣の者も、なかなか行く機会が少ないかもしれない。 かく言う私も、近くにいながら最近初めて足を踏み入れた。 高麗美術館では、高麗、朝鮮時代を中心にした美術工芸品の展示と、それに合わせた講演会、ワークショップなどを行っている。 今回は、朝鮮の屏風、扇子、団扇、掛軸を中心に、書画...